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お世話になっております。
ループス直人です。
株式会社グレイスさんのTwitterクライアント、Kiznaのパブリックβ発表会にお邪魔しています。仕事の都合で参加が遅れてしまい、講演の全てを聞くことができなかったのですが、手元の資料と併せてメモを残したいと思います。
ソリューションの公式サイトはこちら。
■Kiznaについて
- Twitterクライアントではなく、ソーシャルCRMを可能にする「ソーシャルメディアクライアント」
- パブリックベータ開始当初は招待制を採用する。
- 近日中にiPhoneアプリも公開。
- 複数のソーシャルメディアを一元管理。当初Twitterからスタートし、Facebookなど他のソーシャルメディアにも順次対応していく。
- 中小企業や個人にフォーカスしている。
- 現在のソーシャルメディア標準機能の問題点
- Twitterでは会話のログが断片化され、長期的なエンゲージに向かない。
- 会話の「記録(履歴)」「整理」「管理(検索)」を可能とする。
- Twitterでは会話のログが断片化され、長期的なエンゲージに向かない。
- 特定の相手とのやり取りを時系列で表示する「History機能」
- 特定の相手とのやり取りしたログを統合して表示。
- 「RT」「@(Menthion)」「DM」など、種類を問わず時系列で表示。
- 特定の顧客とのやり取りを過去にさかのぼって確認することができるため、あちこち捜し回る必要はない。
- 特定の相手とのやり取りしたログを統合して表示。
- ツイートやアカウントの情報を複数の切り口で整理する「タグ機能」
- 顧客種別、Tweetの種類など、あらゆる切り口で情報を整理。
- タグを付けておくことで消えてしまいがちなTweetデータの検索性が向上、二次利用を容易にする。
- 「あとで読みたい」「あとで対応したい」場合に気軽に使える「ToDo機能」も。
- Twitterアカウントにメタ情報を追加する「アドレス帳機能」
- 名前や住所、携帯番号などを追加可能。
- 一度でもやり取りした顧客のデータを聞きなおさなくてもいいように。
- 将来的に他のソーシャルメディアの情報と統合することができるようになるはず。
- 名前や住所、携帯番号などを追加可能。
- タイムラインを監視し続ける「モニタリング(Watch)機能」(有料版のみ)
- 登録済みのキーワードを自動で監視・収集し続ける機能。
- 様々なデータを時系列で一元管理「Universal inbox機能」
- メンション、リプライ、DM、キーワードなどを1列に表示。
Hootsuiteでは横にカラムが追加されるため、横スクロールが発生して使いづらい。 - 複数のアカウントを使っている場合でも統合される。将来的には複数ソーシャルメディアを統合する予定。
- 自分のタイムラインがすぐに確認できる。
- 間違ったツイートをすぐに消したい。
- 投稿内容をすぐに目視確認したい。
- メンション、リプライ、DM、キーワードなどを1列に表示。
- 全てのTweetをDB上に保存しているため、通常過去3000件までしか保存されないTwitterの限界を超えて過去の履歴を検索・管理できる。
- エゴサーチから会話を見つけてアクティブサポート。
- 料金体系はフリーミアムモデル
- 無料版
- アカウント2つまで。
- ツイート保存数15,000件まで。
- タグ20個まで。
- 上位サービスは制限が解除される他、炎上検知やワークフロー機能が付く。
- 無料版
■ちょっと技術的なはなし
- Twitterクライアントに求められる技術
- 進化しやすい構造
- DBとAPIサーバ間に抽象化するレイヤを実装。複数のソーシャルメディアのデータを扱うことができるようになっている。
- 膨大なデータの処理
- AWSで動作。オートスケーリングによりスケールアウト可能。
- 進化しやすい構造
■ユーザーの声
- コグレマサトさん(ブロガー)
- ユーザーの声を反映する開発体制。飲み会の場で機能をリクエストしたらすぐ反映された。
- クライアントソフトでNo1になるのでは。
- いしたにまさきさん(ブロガー)
- 2010年Kiznaを書籍で紹介。
ネットで成功しているのはやめない人たち - ブログちゃんと更新した方がよい。
- 2010年Kiznaを書籍で紹介。
- 松岡庸一郎(APカンパニー)
- 企業はリアルでの顧客接点が短い。Twitterなどソーシャルメディアで繋がることで、関係を継続的に続けることができる。
- 経堂飲食店オーナーの声
- ソーシャルメディアがない時代、大学ノートで顧客とのやり取りを続けていた。
- 顧客の声が増えるとどうしても覚えていられない。ノートからは検索がおぼつかないため、Excelに大学ノートのデータを写して使っていた。それでも限界が来た。
- 顧客の顔を忘れていってしまう。
- Twitterで1000人フォロワーがいるが、そのうち半分は顔のわかる顧客。
- ヒストリー機能が非常に役にたった。
- ソーシャルメディアがない時代、大学ノートで顧客とのやり取りを続けていた。
■個人的な感想
最後に、個人的な感想です。
ソーシャルメディアを統合する役割は、様々なレイヤーから様々なソリューションが候補として出てきています。KiznaがWEBサービスや技術仕様ではなく、エンドユーザーに最も近い「クライアント」として出てきたという点がソーシャルメディアらしいなあ、と思います。開発の途中でもグレイス代表の中村氏が様々なユーザーの声を反映させながら仕様を決めていったエピソードが紹介されていました。
インターネットの技術仕様が汎用化され、オープンになったことでよりサービスに近いレイヤーの人々がその設計に参加し、利用者にとって使い易いサービスに発展していく。Kiznaはその代表例になるかもしれません。
それでは、よろしくお願いいたします。
お世話になっております。
ループス岡村です。
平素はIT Media オルタナティブ・ブログでお世話になっております。
現在、本ブログ以外に以下URLで備忘録サイトを作っています。
今後、本ブログ以外にも上記サイトに記事をポストすることがあると思いますのでよろしければご覧いただけると幸いです。
本ブログとの住み分けは以下のように考えています。
■備忘録サイトに投稿する内容
・後から参照することのありそうな、リファレンス的内容の記事
・Open Graph Protocol や <table> タグなど、オルタナブログでは使えない機能を試したい場合
・オルタナブログに書くまでもない、軽いノリの記事
上記以外の記事は引き続きオルタナブログに投稿してまいります。
それでは、よろしくお願いいたします。
お世話になっております。
ループス直人です。
株式会社グレイスさんのTwitterクライアント、Kiznaのパブリックβ発表会にお邪魔しています。仕事の都合で参加が遅れてしまい、講演の全てを聞くことができなかったのですが、手元の資料と併せてメモを残したいと思います。
ソリューションの公式サイトはこちら。
■Kiznaについて
- Twitterクライアントではなく、ソーシャルCRMを可能にする「ソーシャルメディアクライアント」
- パブリックベータ開始当初は招待制を採用する。
- 近日中にiPhoneアプリも公開。
- 複数のソーシャルメディアを一元管理。当初Twitterからスタートし、Facebookなど他のソーシャルメディアにも順次対応していく。
- 中小企業や個人にフォーカスしている。
- 現在のソーシャルメディア標準機能の問題点
- Twitterでは会話のログが断片化され、長期的なエンゲージに向かない。
- 会話の「記録(履歴)」「整理」「管理(検索)」を可能とする。
- Twitterでは会話のログが断片化され、長期的なエンゲージに向かない。
- 特定の相手とのやり取りを時系列で表示する「History機能」
- 特定の相手とのやり取りしたログを統合して表示。
- 「RT」「@(Menthion)」「DM」など、種類を問わず時系列で表示。
- 特定の顧客とのやり取りを過去にさかのぼって確認することができるため、あちこち捜し回る必要はない。
- 特定の相手とのやり取りしたログを統合して表示。
- ツイートやアカウントの情報を複数の切り口で整理する「タグ機能」
- 顧客種別、Tweetの種類など、あらゆる切り口で情報を整理。
- タグを付けておくことで消えてしまいがちなTweetデータの検索性が向上、二次利用を容易にする。
- 「あとで読みたい」「あとで対応したい」場合に気軽に使える「ToDo機能」も。
- Twitterアカウントにメタ情報を追加する「アドレス帳機能」
- 名前や住所、携帯番号などを追加可能。
- 一度でもやり取りした顧客のデータを聞きなおさなくてもいいように。
- 将来的に他のソーシャルメディアの情報と統合することができるようになるはず。
- 名前や住所、携帯番号などを追加可能。
- タイムラインを監視し続ける「モニタリング(Watch)機能」(有料版のみ)
- 登録済みのキーワードを自動で監視・収集し続ける機能。
- 様々なデータを時系列で一元管理「Universal inbox機能」
- メンション、リプライ、DM、キーワードなどを1列に表示。
Hootsuiteでは横にカラムが追加されるため、横スクロールが発生して使いづらい。 - 複数のアカウントを使っている場合でも統合される。将来的には複数ソーシャルメディアを統合する予定。
- 自分のタイムラインがすぐに確認できる。
- 間違ったツイートをすぐに消したい。
- 投稿内容をすぐに目視確認したい。
- メンション、リプライ、DM、キーワードなどを1列に表示。
- 全てのTweetをDB上に保存しているため、通常過去3000件までしか保存されないTwitterの限界を超えて過去の履歴を検索・管理できる。
- エゴサーチから会話を見つけてアクティブサポート。
- 料金体系はフリーミアムモデル
- 無料版
- アカウント2つまで。
- ツイート保存数15,000件まで。
- タグ20個まで。
- 上位サービスは制限が解除される他、炎上検知やワークフロー機能が付く。
- 無料版
■ちょっと技術的なはなし
- Twitterクライアントに求められる技術
- 進化しやすい構造
- DBとAPIサーバ間に抽象化するレイヤを実装。複数のソーシャルメディアのデータを扱うことができるようになっている。
- 膨大なデータの処理
- AWSで動作。オートスケーリングによりスケールアウト可能。
- 進化しやすい構造
■ユーザーの声
- コグレマサトさん(ブロガー)
- ユーザーの声を反映する開発体制。飲み会の場で機能をリクエストしたらすぐ反映された。
- クライアントソフトでNo1になるのでは。
- いしたにまさきさん(ブロガー)
- 2010年Kiznaを書籍で紹介。
ネットで成功しているのはやめない人たち - ブログちゃんと更新した方がよい。
- 2010年Kiznaを書籍で紹介。
- 松岡庸一郎(APカンパニー)
- 企業はリアルでの顧客接点が短い。Twitterなどソーシャルメディアで繋がることで、関係を継続的に続けることができる。
- 経堂飲食店オーナーの声
- ソーシャルメディアがない時代、大学ノートで顧客とのやり取りを続けていた。
- 顧客の声が増えるとどうしても覚えていられない。ノートからは検索がおぼつかないため、Excelに大学ノートのデータを写して使っていた。それでも限界が来た。
- 顧客の顔を忘れていってしまう。
- Twitterで1000人フォロワーがいるが、そのうち半分は顔のわかる顧客。
- ヒストリー機能が非常に役にたった。
- ソーシャルメディアがない時代、大学ノートで顧客とのやり取りを続けていた。
■個人的な感想
最後に、個人的な感想です。
ソーシャルメディアを統合する役割は、様々なレイヤーから様々なソリューションが候補として出てきています。KiznaがWEBサービスや技術仕様ではなく、エンドユーザーに最も近い「クライアント」として出てきたという点がソーシャルメディアらしいなあ、と思います。開発の途中でもグレイス代表の中村氏が様々なユーザーの声を反映させながら仕様を決めていったエピソードが紹介されていました。
インターネットの技術仕様が汎用化され、オープンになったことでよりサービスに近いレイヤーの人々がその設計に参加し、利用者にとって使い易いサービスに発展していく。Kiznaはその代表例になるかもしれません。
それでは、よろしくお願いいたします。
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お世話になっております。
ループス岡村です。
前回に引き続き、財団法人ハイパーネットワーク社会研究所主催の講演資料を紹介させていただきます。今回は「情報過多に抗する人々の処世術」と題して、ソーシャルメディアがもてはやされる時代の「なぜ」について書きました。前回に引き続き、一般的な話の焼き直しといった内容で恐縮です。お時間のある方はご覧いただけると幸いです。
■目次
- なぜ今、ソーシャルメディアなのか
- 3つの理由
- 人がいるから(2010年12月22日のブログ記事で紹介)
ソーシャルメディアの利用者動向について。 - ネットの情報が多すぎるから
ソーシャルフィルタリングの話。 - 競合も似た戦略をとっているから
人材の活用による差別化について。
- 人がいるから(2010年12月22日のブログ記事で紹介)
- 3つの理由
- Facebookについて
■なぜ今、ソーシャルメディアなのか
理由その2:ネット情報が多すぎるから
前述の通り、この今回は「企業がソーシャルメディアに関わる理由」として「情報が多すぎるから」というテーマで話をしています。大雑把な流れは以下です。
- ネットの情報がこんなに増えてます。
- ネットユーザーは大量の情報から有益なものだけを得るために、
ソーシャルフィルタリングという方法を使い始めたようです。 - 私のブログを例に、実際どんな感じになってきているかをお見せします。
- ソーシャルフィルタリングにシャットアウトされず、
あなたのメッセージが顧客に届くために必要な方法について思う所を書きます。
■情報洪水と呼ばれる時代
上記のグラフは、1996年から2006年にかけて生活者が選択可能な情報量(赤)と消費可能な情報量(青)の推移を図示したものです(総務省情報通信政策局「平成18年度 情報流通センサス報告書」より)。これによると、過去10年で消費可能情報量が33倍になったのに対して、選択可能情報量は530倍になったとのことです。このような状況は2007年に発表された「平成17年度 情報流通センサス報告書」で明らかにされ、多くのブログや記事で取り上げられた結果「情報爆発の時代」として広く認知されるに至りました。個人による情報発信が増えている現在に至っては、選択可能情報量と消費可能情報量により多くの格差が生まれていることを疑う余地はないと思います。
※選択可能情報量:各メディアの情報受信点において、1年間に情報消費者が選択可能な形で提供された情報の総量。例えばテレビなら全国の設置受信機で選択可能な全放送番組の情報量の総和。
※消費可能情報量:各メディアの情報受信点において、1年間に情報消費者が選択可能な形で提供されたもののうち、メディアとして消費が可能な情報の総量。
もちろんテレビのチャンネル数が500倍になったわけではありません。「爆発」しているのは主にインターネットの情報です。つまり、情報爆発とか情報洪水とか言われる状況と、それを解決してくれる技術の恩恵は、インターネットをよく使う人ほど強く当てはまるものです。
考えてみれば当たり前のことですが、ここでも自社の顧客がどのような人で、どのようなメディアを利用しているのか再確認することで無用な資源の投資を避けることができるかもしれません。
話を戻しますが、この調査からは次のような事が言えると思います。
- (主にネットで)発信される情報の99%以上は捨てられている。
情報発信者にとっては、非常に情報が届けにくい時代である。 - (主にネットには)個人が消化できる量の数千倍〜数万倍の情報が存在する。
情報受信者にとっては、相当吟味しないとクズ情報ばかり掴まされる時代である。
前者は、広告系の本でよく語られている内容かと思います。一方後者、情報を吟味するための生活者の工夫や努力についてはどうでしょうか。「できるビジネスマンの情報整理術」のような特集を見かけたりしますが、多くの生活者が情報収集に対してそれほど前のめりになっているとは考えにくいです。
「情報探すのメンドクセー」。自分が食べきれる量の2万倍もデータがあったら、普通の人はそんな風に感じてしまうのではないでしょうか。
■効率のよい情報収集手段の必要性が高まっている
情報収集に膨大な手間がかかるようになれば、「手分けして探す」という手段が編み出されるのは、極めて自然な事だと思います。ソーシャルメディアを使った情報収集というのは、つまりはそういうことです。
Google先生も必要な情報を速攻で探してきてくれますが、知りたいことを入力しているんだから当たり前ですよね。忙しい私たちは、できれば何もしないで有益な情報を手にいれたいものです。それに、必要ない情報は極力見たくないですよね。
情報の流通経路において、無価値な情報が排除され、価値のある情報だけが必要とされる人に届く。ソーシャル化したウェブを通じてこのような情報の選別が行われることを、最近私は「ソーシャルフィルタリング」と呼んでいます。
この辺もまあ、散々色んなところで言われている話かと思いますので、簡単に流させていただきます。
ネットユーザー一人ひとりが、コンテンツに対して関所の役割を果たしているとイメージしてください。
具体的な例をいくつか挙げさせていただきます。
- はてなブックマークで面白いブログだけがピックアップされ、PVを稼ぐ
- Twitterで面白いツイートだけがリツイートされ、バイラルした
- 食べログで似たような好みの人が高評価を付けている店にいったら、うまかった
どのケースでも、良いコンテンツだけが選りすぐられてたくさんの人の目に触れていると思います。見る人の大切な時間を使ってもらえるのは、見るに値する良いコンテンツであるべきですよね。
ソーシャルフィルタリングには以下の特徴があります。
- 情報の取捨選択は生活者が行う
「生活者」、つまりネットユーザー自身が情報の選別を行うということです。普通、新聞でもテレビでも、掲載可否の判断、露出量の調整、不適切な表現の排除といったフィルタリングの多くを限られた専門家が行います。まあ、自由だね、オープンだね、ってことです。 - 生活者の共感を得ない情報は届きすらしない
ソーシャルフィルタを、お金を払って通過する直接的な方法はありません。本来誰も見たくも無いような駄情報を、お金を払うから見て、というのは難しいです(お金をかけて、だれもが見たくなるような情報を作ることはできると思います)。これに関しては電通の佐藤尚之氏の「SIPSかな」がものすごく腑に落ちます。というか、パクッてます。 - 情報の発信者・当事者が流通を制御しづらい
これはまあ、「人の口に戸は立てられない」ということかと思います。ただ、傍観者として見ているのと、実際に何か関与しようとするのとでは大きな違いがあります。 - フィルタであり、拡散媒体である
情報の受け手に取ってはフィルタなんですが、情報発信者にとっては拡散媒体である。ということです。この特徴が会話において様々な齟齬を生みます。ある時は最強の盾、ある時は最強の矛。めんどくさいですね。
というわけで、ソーシャルフィルタというものが情報の選別に一役買っている、という話でした。昔は、人間がひとつひとつ目視で情報を選別するなんて、大量のデータに対してはまったく非効率だったのですが、インターネットの普及によって選別結果の蓄積・共有が可能になり、人々の便益に見合った労力で実現可能になってきたということです。
■Facebookは多数決以外の手段にも、結構気を使ってるらしい
ソーシャルフィルタリングの基本的な仕組みはコミュニティの多数決です。「コミュニティの」まで太字にしたのは、多数決を行う集団の構成員が無作為に選ばれたものではなく、なんらかの嗜好性を元に集まっている点が重要であるためです。万人受けするコンテンツが必ずしも自分の趣味嗜好に合致するとは限らないですものね。
ちなみに、Facebookでは情報の重み付けに、単純な多数決以外のアルゴリズムも採用されているようです。
詳細について、日本語ではTechCrunchの記事が詳しいです。その他、はちえん坂田さんのブログや、ソーシャルメディア大好きWebプロデューサー加藤征男さんのブログにも解説がありますので、興味のある方は参考になさってください。
エッジランクでどんなことが起こるのか、超簡単に言うと「好きな人の発信した情報と、嫌いなひとの発信した情報。優先的に表示するのは好きな人の方」ということです。アルゴリズムの詳細や精度はさておき、人間関係に重み付けをした点が画期的だと思います。親密度は友達同士で対等ではなく、「A君はBちゃんのことが気になっているけど、BちゃんはAくんのことは眼中にない」というように、非対称の関係になっているようです。
ソーシャルグラフ(SNSの上の人間関係)は、「リアル or バーチャル」「オープン or クローズ」のような二元論で語られることが多いのですが、実際はもっと連続的なものだと思います。「私」と「誰か」の間にあるステップ数や、その重みで関係性を整理しようというアプローチは将来もっと発展していくのではないでしょうか。だって、どう考えたってそちらの方が合理的です。承認した途端セミナー情報やお得なセール情報をばんばん飛ばしてくる「友達」と、来週一緒に映画に行きたい「友達」、どちらのステータスアップデートが重要かは明らかですよね。
(余談ですが、システムが人間関係をどのように表現すべきかという話題について、GoogleからFacebookに移籍した Paul Adams氏が興味深いエントリを書いています 。タグやグループも分類に役立ちそうですね。)
■商売にどう関係があるのか
続いて「あーそうFacebookすごいね、で、それが商売とどう関係あるの?」という話を少し、します。
上のグラフは左からNewYorkTimes、Amazon、eBayの流入元を表しています(出典:Business Insider記事)。いずれのサイトでも、1年前に比べてGoogleからの流入がわずかに減っているのに対して、Facebookからの流入は大きく増えています。
このブログのように、ソーシャル系に特化した話題を扱っていると傾向はより顕著になります。
上記は、このブログがFacebookで200以上の「いいね」をいただいたある1日の流入元の割合を示すグラフです。検索エンジンからの流入は15%しかなく、56%が外部サイトからとなっています。ちなみにPVは2500程度でした。
内訳としては、トップのはてブが21%、2位がTwitterで19%、3位がGoogle(検索ではなくGoogleReader)で11%、4位がFacebookで10%、5位がTwitterクライアントのHootSuiteで7%となっています。この1日で、約600人の方にこのブログを知っていただくことができました。
ブログのホストであるITMediaからの流入が4%弱しかないのに比べて、いかにソーシャルメディアからの流入が強いかを表していると思います。
製品やサービスによって事情は異なるとは思いますが、私のブログのように、全く知名度のないサイトでもソーシャルメディア経由で1日当たり数千単位のPVを稼ぐこともできるのは事実です。知名度の高い企業やサイトでは、特に広告を出さなくても1日当たり数千〜数万のPVを稼ぐことは容易かもしれませんが、新規のスタートアップや中小企業など、十分な知名度がないサイトにとってソーシャルメディアからの流入は重要なトラフィック源になると思います。もちろん、広告費は一切かかっていません。
このようなソーシャルメディアからの流入を期待して、拡散のためにサイトやコンテンツを最適化することをSEO(Search Engine Optimization)になぞらえてSMO(Social Media Optimization)と呼んだりします。
SMOという言葉は2006年に Rohit Bhargava 氏が自身のブログで提唱したのが最初のようです。2010年に同氏のブログで改訂された内容によると、SMOとはおおよそ以下のような内容を指しています。
- 共有したくなるコンテンツを作る
(被リンクよりも、コンテンツの質がより重要) - サイトに共感した人が、最小の手間で共有できるように整備する
- ユーザーの参加に対してインセンティブを設計する
- コンテンツをオープンに、積極的に共有する
- マッシュアップを奨励する
ソーシャルメディア関連の仕事をしていると、SMOについてご相談をいただくケースも多いのですが、例えばボタンを付けて共有しやすくするとか、ソーシャルメディア上の導線を設計するといったテクニカルな部分より、「いかに共感を得るコンテンツを作るか」といった部分で苦労されているケースが多いように感じます。
もちろん、何の魅力もないコンテンツを無理に飾って人々の話題にしてもらおうとするのには無理がありますが、「最適化」というのは「無」から「有」を作り出すのではなく、本来持っている潜在能力を最大化するための努力だと私は考えています。
まずは自分たちの製品・サービスの魅力、強みをとことん掘り下げて考える。そしてそれがどうやったら対象とするソーシャルメディアを利用する顧客に正しく伝わるかを考える。このような基本的な努力が、案外見落とされがちなのではないかとも思います。
■おわりに
いつまで経っても本題のFacebookにたどり着きませんが、長くなってしまったので今回のエントリはここまでとさせていただきます。SMOのところで軽く端折った「テクニカルな部分」なんかも、深く突き詰めていくと色々な手段や測定方法などがあり、一筋縄ではいかないことも多いです。私もまだまだ勉強中の身ですが、個々の具体的な方法については別の機会に掘り下げて書いてみたいと思います。
それでは、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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■ループス・コミュニケーションズのファンページ
お世話になっております。
ループス岡村です。
12月16日、財団法人ハイパーネットワーク社会研究所が主催する、ハイパーフォーラムにお招きいただき、講演をさせていただきました。本エントリは、その際に使用した資料の紹介です。当日使用したスライドの抜粋に、話した内容などを付け加えながら、数回にわけて公開させていただこうと思います。
■目次
用意したスライドは、大きく以下のような構成になっています。
- なぜ今、ソーシャルメディアなのか
- 3つの理由
- 人がいるから
ソーシャルメディアの利用者動向について。 - ネットの情報が多すぎるから
ソーシャルフィルタリングの話。 - 競合も似た戦略をとっているから
人材の活用による差別化について。
- 人がいるから
- 3つの理由
- Facebookについて
今回は上記目次のうち「なぜ今、ソーシャルメディアなのか」の一部までを紹介させていただきます。ソーシャルメディアに詳しい方にとっては、当たり前の情報ばかりで恐縮ですが、ご覧になっていただければ幸いです。
■なぜ今、ソーシャルメディアなのか
Facebookの紹介をする前に、Facebookも含むソーシャルメディアに注目すべき理由について3点ほど挙げさせていただきました。
本当は、「ソーシャルメディア」という呼び名はあまり適当ではないと思っているのですが、一番認知されている言葉だと思うので使っています。ソーシャルなメディアと言っても、実体は主にインターネットを介したシステム群です。このようなメディアが重要視されている背景には「人々がテクノロジーを使って、自分が必要なものを企業などの伝統的組織ではなく、お互いから調達する(グランズウェルより)」ようになってきた社会動向があると言われています。ソーシャルメディアにおける人々の相互作用は、インターネットが元々持っている潜在能力の一部に過ぎないとも考えられますが、技術のコモディティ化や利用者の習熟度向上も手伝って、既存メディアに匹敵する大きな影響力を持つに至ったという点が注目されている所以だと思います。
■理由その1「人がいるから」
講演のテーマは「ビジネス活用」なので、まず「人がいる」ことが重要です。
事業を営んでいる方にとっては、Facebookやその他の、「ソーシャルメディアそのもの」が重要なのではなく、「そこにいる人々に用がある」のだという当たり前の事実を、始めにきちんと確認しておきたいと思います。
ですが、本当にソーシャルメディアに「人」はいるのでしょうか。
2008年に行われたフォレスター・リサーチの調査によると、どうやらソーシャルメディアに人が集まっている間違いなさそうです。国内ネット利用者の81%が何らかのソーシャルメディアを利用していると言われており、特にブログの利用は他の国々より盛んです。スライドにあるハシゴのような図は、ソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィールと呼ばれ、ソーシャルメディア上の人々の活動状況を表しています(ITMediaがPDF版を掲載しています)。利用動向としては、ブログを読んだり、レビューを読んだりする「観察者」の割合が他国に比べて高いことも特徴として挙げられています。
また、他のインターネットメディアに比べて利用者の滞在時間が長いことも指摘されています。利用者が多く、かつ長い時間滞在しているのであれば、ユーザーにメッセージを伝えたいと考えている企業が注目すべきなのは当然と言えます。
なるほど、わかった。「ソーシャルメディア」とやらには、自分たちのビジネスに関連する見込客がうじゃうじゃたむろしているらしい。それでは出向いて自社サービスの紹介をしてやろうではないか。・・・と考えても、事はそう簡単ではありません。ソーシャルメディアとは、複数のインターネット上のシステム(主にウェブサイトなので、以下「サイト」と表記します)の総称ですので、顧客が一箇所に集まっているわけではないのです。
上記スライドにあるグラフは日経BP社が行ったソーシャルメディア利用実態調査の結果ですが、対象となるウェブサイトはYoutubeのような動画サイトから価格.comのような比較サイト、2ちゃんねるのような掲示板サイトなど、実に様々であることがおわかりいただけるかと思います。サイトも様々であれば、当然ながらそのサイトを訪れるユーザーの目的や行動も様々です。
ソーシャルメディアをビジネスに活用しようとする際は、自社の顧客がどのようなサイトを利用しているか、また、どのように利用しているかといった部分をきちんと把握した上で、アプローチするメディアと方法を選定していく必要があると思います。
講演では、前述のように複数のメディアで様々な顧客層のユーザーと良好な関係を築き、最終的に自社の目的につなげていく考え方を「ソーシャルメディアの総合力」と表現させていただきました。ソーシャライズドウェブは、リンクやフィードバック、クチコミなどで様々に繋がっていきます。それぞれのメディアで獲得したファンの数はそれほど多くなくても、インターネット上で何か仕掛ける際に、まったく支援者がいないのと、そうでないのとでは「着火」の仕方に大きな違いが生まれるのではないでしょうか。
「ソーシャルメディアは魔法の杖ではない」。私のような仕事をしていると、うんざりするほどよく耳にするフレーズです。それでは一体何の役に立つのでしょうか。
博報堂DYメディアパートナーズが発表しているメディア定点調査では、世代や年齢で差はあれど、生活者が接するメディアの中で雑誌やラジオの割合は年々減少傾向にあり、逆にインターネットの割合は年々増加しています。つまるところ、「人々が見ている媒体が変わってきているのだから、メッセージを送る場所もそれに合わせて変えましょうよ」という単純な話です。(参考記事:「10代、パソコン離れ…ネットは携帯で 東大教授ら調査」)
また、今までの一般的なインターネットサイトでは情報発信者と受信者が明確に分かれていたのに対して、ソーシャルメディアは双方向性を特徴とするWEB2.0的なサイトが中心であるため、企業といえども単にメッセージを送るだけではなく、「参加する」方向に意識を変えていく必要があります。
■続く
それなりの長さになってしまったので今回のエントリではここまでとさせていただきます。今回の内容があまりにも評判が悪い場合を除いて、近日中に次のエントリ「理由その2 ネットの情報が多すぎる」にて、ソーシャルフィルタリングに関する記事を公開する予定です。
それでは、よろしくお願いいたします。
■ループス・コミュニケーションズのファンページ


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